ゲエ・ギムギガム・プルルル・ギムゲム

新委員長の林です。一回なのに。
今日は地理学系から離れた話をします。たまには。

私は地理学以外にもいくつかの趣味というか本業を持ってますが、その内のひとつとして大正から昭和にかけての前衛モダニズム詩人の研究もしています。しかしながらこの辺の詩人は戦後ほとんど省みられることもなく、おまけに発表媒体のかなりの数が零細雑誌だったため、いまや読むためには糞高い同人雑誌を神保町で見つけてくるか(私のほしい雑誌は一冊7000円もしました!)、諦めるしかありませんでした。
そのような中に通称G.G.P.G.、「ゲエ・ギムギガム・プルルル・ギムゲム」という雑誌があります。これはもうタイトルを見ただけでわかる人はわかるかと思いますが、極めてダダ、もしくは未来派的な内容を包括した雑誌でして、一応今のジャンルわけでは詩雑誌ということになってますが、その後のネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ的思想を秘めた、”腐りきった文壇を破壊する”雑誌だったわけです。
しかし寄稿、編集している人は凄いです。北園克衛、稲垣足穂、野上隆など綺羅星のごとき陣営。まさに戦前前衛詩を語る上では欠かせない雑誌です。ところがこの雑誌、発行部数が糞少なく、一部の蒐集家が個人所有しているのを除けば、ほとんど手に入れることができませんでした。もはや神保町にすらおいてないレベルです。
ところが近年まとまった形で綺麗な状態の雑誌が発見されまして、これを基に復刻版が極小数作られました。残念ながら私はそれを知りませんでしたが、なんと立命の文献資料室で見つけることができました!まあ定価30000なんで知ってても買えたもんじゃないんですが。
とりあえずこのような貴重な雑誌が読めるということに出版社及び立命館(まあ高い学費払ってるんですから当然といえば当然)に感謝したいですね。
どうも見たところほとんど読まれていないようなので(下手したら俺が最初)、立命生で前衛詩に興味ある方にはお勧めします。俺は自分が確立したと思っていた詩のメソッドが90年前に作られたことに大ショックを受けました。

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